【葬儀について】

 葬儀について考える時、まだ元気なうちに相談をするには葬儀社は入りづらく、ご家族が入院されてからでは逆に抵抗を感じてしまいます。誰でも元気なうちは、亡くなることなど考えたくないものですが、、、その時は突然やってくるかもしれません。「備えあれば患いなし」ということわざがありますが、日頃からの準備がいざという時に役に立ちます。


【葬 式】

「お葬式っていくらくらい掛かるの?」

 

 葬儀費用についての質問がありますが、ご家族がお葬式のどの部分に対してどのくらいのこだわりを持っているかによって変わってきますので、一概にはお答えできません。東京23区で葬儀をする場合、料金が決まっているのは火葬費用と骨壺の料金だけです。その他は、ご家族が希望される弔いの内容とお葬式の規模によって決まります。また、お寺にお渡しするお布施は葬儀社の見積もりに含まれないのが一般的です。

 

 近頃は、ネットで安い料金の葬儀社を探すことも容易なこととなりました。しかし、見積り価格に見合った内容のお葬式だということをご理解ください。また、安い料金設定でも式場費用などの追加料金が発生することがありますので、事前に確認が必要です。


【遺 影】

「スナップ写真でも遺影に使える?」

 

 遺影写真は故人の最期の記録であるため、みんなの記憶に残るようないい写真を用意したいですね。

 

 アスカネットの「遺影に関する本音調査」によると、7割の方がご自分の遺影は選んでおきたいと回答しているにも関わらず、実際に準備している方は2.2%しかいないとのことです。

 

 遺影については、多くのご遺族が悲しみと葬儀の準備で慌ただしい中、アルバムを引っ張り出してきて決めているのが現状のようです。

 

 日頃からご自分のお気に入りの写真を何枚か決めてご家族に伝えておくか、フォトフレームに入れて目立つ所に飾っておくことをおすすめします。スナップ写真のような景色が写っているものや、家族や友人が一緒に写っているものでも問題ありません。大きく引き伸ばしても輪郭がはっきりとわかるように、ご本人の顔が親指の爪くらいの大きさはあった方がいいです。また、指紋の付かない絹目の写真は、きれいにスキャンができないのでおすすめではありません。

 

 大きく引き伸ばすことを前提に考えるなら、デジタルデータで保存してある写真がおすすめです。


【寝 棺】

「どうせ燃やしちゃうんだから どんな棺でもいい!」

 

 その通りかもしれません。しかしちょっと待ってください。

 

 現在、国内で流通している棺の90%は海外からの輸入品で、そのほとんどが中国製だといわれています。中国製が悪いといっている訳ではありませんが、中には粗悪品や有害物質を含んだ接着剤を使用して棺などもあるようです。

 

 中国製と同じくらいの価格で、国産の棺があるとしたらいかがでしょうか。それも、環境を考えて国産間伐材を使用した燃えやすい紙素材でできている棺です。

 

 この紙素材の棺で、故人の着物や愛用品を利用してオリジナルの棺をお作りすることもできます。お亡くなりになった方のために最期にご家族で一手間掛けてみてはいかがでしょうか。


【死亡届】

 人が亡くなると、役所に死亡届を提出します。死亡届が受理されると住民票に死亡年月日が記載され、火葬許可証が発行されます。この火葬許可証がないと葬儀後の手続きができないので、早めに届出をする必要があります。

 

 戸籍法によって、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3カ月以内)に死亡の届出をしなければなりません。届出義務者とは、親族・同居者・家主・地主・家屋管理人・土地管理人等・後見人・保佐人・補助人・任意後見人です。届出先は、死亡者の死亡地・本籍地または死亡届出人の住所地・所在地の役所に提出します。

 

 死亡診断書(死体検案書)は医師が死亡を確認した証明として発行されます。A3用紙の右半分がこの死亡診断書で、左半分が死亡届になっています。死亡診断書には、死亡者の氏名・性別・生年月日・死亡時刻・死亡場所・死因などが書かれています。これらの内容に死亡者の本籍・届出人の住所・本籍・氏名・生年月日などを加えて死亡届を書き上げます。届出の際、届出人が押印した印鑑をご持参ください。

役所に提出する前にコピーを取っておくことをおすすめします。

※事故や原因不明の死などの場合、監察医や警察医によって死体検案書が発行されます。


【葬祭費】

 国民健康保険の加入者が死亡したとき、その葬祭を行った方に葬祭費が支給されます。世田谷区の国民健康保険の場合、申請手続きを行うと7万円が支給されます。ただし、職場の健康保険等に本人として加入したいた方が、国民健康保険加入後3カ月以内に亡くなり、加入していた健康保険等から葬祭費や埋葬料が支給される場合には、国民健康保険からは支給されません。

 

 申請には以下のものを用意して、お住いの市区役所 保険年金課まで。

  • 申請する本人確認書類
  • 申請者の印鑑
  • 喪主の確認できる葬儀代金領収書や会葬礼状
  • 亡くなった方の保険証
  • 亡くなった方のマイナンバーカード
  • 申請者の振込先口座番号がわかるもの

※申請期間は葬儀を行った日の翌日から2年間

 

 世田谷区の葬祭費申請は、世田谷区役所 国保・年金課保険給付係、または総合支所くみん窓口、最寄りの出張所で手続きを行ってください。

※郵送で申請する場合の送り先

〒154-8504 世田谷区世田谷4丁目21番27号 世田谷区役所 国保・年金課 保険給付係


【おひとりさま】

「私が死んだらどうなるの?」

 

  おひとりさまの場合、孤独死という不安は常に持っていると思われます。しかし、「死んだ後のことは誰かがやってくれるだろう」などとは考えていないでしょうか。

 

  「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがありますが、”立ち去る者は自分のいた場所を汚れたままにせず、きれいにしてから行くものだといういましめ” また、”引き際はきれいであるべきこと” とあります。

 

たとえ第三者であっても、どなたかお願いできる方がいるのであれば、この際お話をしてみてはいかがでしょうか。「葬式は〇〇式で、その後お骨は〇〇寺の永代供養墓でお願いしたい」「遺品については、お世話になった大家さんには迷惑を掛けたくないので、預託金を使って片付けてもらいたい」など。


【孤独死】

「孤独死だけはいや!」

 

 2015年の国勢調査によると、単身世帯が全体の35%を占め最も多くなっています。その要因として晩婚化、独身者や高齢者の一人暮らしの増加が挙げられるようです。

 

 考えてみれば、未婚者でなくても、離婚や配偶者の死別によって単身世帯になることは十分に考えられます。また、子供がいてもいずれ独立・別居となれば、やはり単身になってしまいます。

 

 今後、病院や施設に入らない限り、孤独死は一般的な亡くなり方になっていくと考えるのが自然なのかもしれません。

 

 市川愛著「孤独死の作法」によると、孤独死の最低限のマナーとして6つの作法が紹介されています。その中の1つに、早期発見のためにセーフティーネットを構築することが挙げられています。趣味や教室などのサークルや地域活動に参加して友人関係をつくり、あなたの不在に「あれ?」と思ってくれる友人たちのネットワークづくりが必要不可欠とのことです。

 

 早期発見のセーフティーネットとしては、見守りサービスを検討してみるのもいいでしょう。ポットやガスなどの利用状況をメールで知らせるセンサー型サービス。日々決められた時間に電話やメールの配信によるオート電話型・オートメール型サービス。郵便局やヤクルトレディによる訪問型サービス。また、食事の配達時に安否確認をする宅配型サービスがあるようです。

 

 その後のことまで考えると相応の準備が必要なようです。


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